事業承継税制で税負担を軽減できる「特例承継計画」の提出期限が延長されました
大阪市中央区北浜の税理士法人W.Mの税理士室田です。
中小企業の経営者にとって、「事業承継」は避けて通れない重要な経営課題です。
特に、後継者への株式承継に伴う相続税・贈与税の負担を理由に、事業承継が進まないケースは少なくありません。
こうした課題を解決する制度として注目されているのが事業承継税制です。 この制度を活用することで、一定の要件を満たせば、株式承継時の税負担を大幅に軽減、あるいは実質ゼロにすることも可能です。
今回は、その事業承継税制の中でも特に重要な「特例承継計画」について、
提出期限の延長という最新動向を踏まえながら、分かりやすく解説します。

事業承継の準備が進んでいない経営者こそ知っておきたいポイント
「後継者は決まっているが、何から手を付ければいいか分からない」
「自社株の評価が高く、相続税がどのくらいかかるのか不安」
「まだ先の話だと思っていたが、年齢的にそろそろ考える必要がある」
このようなお悩みをお持ちの経営者にとって、
特例承継計画の提出期限(令和8年3月31日)は非常に重要な意味を持ちます。
現在、この期限については延長の要望が出ている状況ですが、
制度があるうちに「使える状態にしておく」ことが、将来の選択肢を広げることにつながります。
事業承継税制とは?
事業承継税制とは、中小企業の円滑な事業承継を支援するために設けられた税制優遇制度です。
後継者が会社の株式を相続または贈与により取得した際に発生する相続税・贈与税について、納税を猶予する仕組みとなっています。
さらに、一定の条件を満たし続けることで、猶予されていた税額が最終的に免除される点が、この制度の大きな特徴です。
こんな経営者の方におすすめです
- 後継者は決まっているが、事業承継の進め方が分からない
- 自社株の評価額が高く、相続税・贈与税の負担に不安がある
- 事業承継に伴う資金繰りへの影響を最小限にしたい
- とりあえず計画だけでも先に提出しておきたい
- 社内に事業承継に詳しい人材がおらず、専門家のサポートが必要
事業承継税制を活用する3つのメリット
1.相続税・贈与税の大幅な軽減
事業承継税制を活用することで、後継者が取得した株式に係る相続税・贈与税について、
全額の納税猶予を受けることが可能です。
2.資金繰りへの悪影響を防げる
多額の納税資金を用意する必要がなくなるため、
会社の運転資金や設備投資資金を確保しやすくなります。
3.後継者が安心して経営に集中できる
税負担への不安が軽減されることで、後継者は事業運営に集中でき、
結果として企業の持続的成長につながります。
特例承継計画とは?提出が必須となる重要書類
事業承継税制の特例措置を利用するためには、
事前に「特例承継計画」を提出することが必須条件となっています。
特例承継計画とは、以下の内容を記載した計画書です。
- 株式承継までの期間における事業計画
- 後継者が株式取得後、5年間の事業計画
この計画は、認定経営革新等支援機関(税理士等)の指導・助言を受けたものである必要があります。
特例承継計画を提出することで、
自社株に係る贈与税・相続税の承継時の納税が全額猶予され、
一定要件を満たせば、最終的に免除されます。
特例承継計画の提出期限と特例措置の適用期間
① 特例承継計画の提出期限
平成30年4月1日から令和8年3月31日までに、
都道府県へ特例承継計画を提出する必要があります。
② 特例措置の適用期間
平成30年1月1日から令和9年12月31日までに、
贈与または相続により株式を取得した経営者が対象となります。
事業承継税制適用までの手続きの流れ
- 特例承継計画の策定・提出(令和8年3月31日まで)
- 事業承継の実行(贈与・相続)
- 都道府県への認定申請(申告期限の2か月前まで)
- 税務署へ申告(認定書等を添付)
- 都道府県・税務署へ毎年の報告(5年間)
- 6年目以降は3年に1度の報告
まとめ|事業承継は「早めの準備」が最大の節税対策
事業承継税制、とりわけ特例承継計画は、
「使えるかどうか」で将来の税負担が大きく変わる制度です。
まだ具体的な承継時期が決まっていなくても、
計画を提出しておくことで、将来の選択肢を確保できます。
事業承継について少しでも不安や疑問がある場合は、
お一人で悩まず、ぜひ当事務所までお気軽にご相談ください。


