【税理士が自分で買った】近鉄グループ個人向け社債——税理士が実際に購入した理由と経営者の資産運用戦略
大阪市中央区北浜の税理士室田です。
「個人向け社債って実際どうなの?」と気になっている経営者・個人事業主の方へ。大阪の税理士が自分自身のお金を近鉄グループ社債に実際に投じた理由と、経営者の資産運用における社債の位置づけを、本音で解説します。
近鉄グループ第135回社債とは
近鉄グループホールディングスが2026年7月に発行する個人向け社債です。主な概要は以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 愛称 | Les Saveurs 志摩 運行記念債 |
| 期間 | 5年(2031年7月満期) |
| 利率(仮条件) | 年2.521%(税引後2.008%) |
| 格付け | A-(JCR)、BBB+(R&I) |
| 保証会社 | 近畿日本鉄道株式会社 |
| 申込期間 | 2026年7月10日〜7月23日 |
| 最低購入額 | 10万円〜 |
💡 ポイント:二重の信用保証
発行体は近鉄グループHDですが、近畿日本鉄道が連帯保証人になっています。グループの経営基盤全体が担保されており、かつ関西の基幹インフラ企業として公的支援もそれなりに期待できます。
なぜ社債に資金を移したのか
①野村MRFからの「乗り換え」として合理的
私が育った時代はデフレ時代だったので、運用に関しては何も考えずに定期預金やMRFにお金を置いていました。MRFは流動性が高い反面、利回りはほぼゼロ。同じ「ほぼリスクフリー」の枠で年2%台の利回りが取れるなら、一定額を5年固定にしても損はありません。十分な流動資産を手元に残した上での判断です。
②事業用資金と投資用資金を分けて考える
開業税理士として事業用口座は手をつけません。それ以外の預貯金・MRFが「投資に回せる資金」です。この切り分けができると、社債への投資判断がシンプルになります。
③鉄道インフラ企業のデフォルトリスクは極めて低い
戦後、日本の大手私鉄が社債をデフォルトした事例はゼロです。仮に経営が悪化しても、国や自治体が介入するインフラ企業です。格付けA-は国債には劣りますが、一般的な企業債より信用度は高いと思われる水準です。
⚠️ デメリットも正直に言います
- 5年間は原則資金が拘束される(中途売却時は元本割れリスクあり)
- 利率2%台はインフレ率によっては実質マイナスになりえる
- 申込初日に完売する可能性が高い(早めの口座移動が必須)
※2026年7月10日午前6時に発売だったので、私も早起きして頑張りました笑
経営者・個人事業主の資産運用における社債の位置づけ
個人事業主や中小企業経営者の資産運用は、会社員と異なります。退職金制度がない、収入が不安定、事業リスクと個人資産が連動しやすい——こうした特性を踏まえると、ポートフォリオは以下のように組むのが合理的のように思います。
| 資産の種類 | 目的 | 具体例 |
|---|---|---|
| 流動資産(30%以上) | 事業の緊急資金・生活防衛 | 普通預金、MRF |
| 準安定資産(20〜30%) | 低リスクで利回りを確保 | 個人向け社債、定期預金、個人向け国債 |
| 成長資産(残り) | 長期的な資産増加 | NISA(オルカン)、iDeCo、不動産 |
| 節税型資産(優先) | 節税+老後資金 | 小規模企業共済、iDeCo、倒産防止共済 |
社債は「準安定資産」の枠で機能します。定期預金より利回りが高く、株式より価格変動リスクが低い——この中間的ポジションが、事業用資金とは別に「安心して置ける運用先」を求める経営者にフィットします。
節税策と組み合わせるとさらに効果的
社債の利子収入(20.315%源泉徴収)と並行して、以下の節税策を最大活用すると手元に残る資産が大きく変わります。
- 小規模企業共済(月7万・前納活用)——年間最大161万円を所得控除。税率55%なら最大88万円の節税(当事務所代表も実践済み)※過去の当事務所が作成した記事はこちら。
- iDeCo——掛金全額所得控除。個人事業主は月6.8万円まで
- NISA成長投資枠・積立枠——運用益・分配金が非課税。社債の利子は対象外だが、投資信託と組み合わせて全体の税負担を下げる
- 倒産防止共済(経営セーフティ共済)——掛金を損金算入。受取時課税に注意が必要
過去の苦い経験
近鉄社債、安全性はそれなりに高いとは思いますが、もちろんリスクもあります。
実は私自身過去に社債投資で失敗したこともあるのです・・・。
2010年ごろ、会社の財務部で資金運用の担当者をしていた際、当時「無リスク」だろうと考えられていたある会社の債券をかなり買っていました。
その会社は「東京電力」です。
そう、そしてそれから約1年後、あの東日本大震災が発生し、まさかの原発事故で大変な状況になってしまいました。
言い訳にはなりますが、当時の東京電力の格付は日本の国債とほぼ同水準でした・・・。
その経験もあるので、今後5年間近鉄に予期せぬ事態が発生しないことを祈ってます・・・。
まとめ:「安定×節税×成長」の三角形を意識する
近鉄社債はあくまでパズルの一ピース。社債で安定利回りを確保しながら、NISA・iDeCoで成長を取りに行き、小規模企業共済で節税しながら退職金を積む——この三角形が経営者の資産形成の王道です。
👨💼
室田 昌克(税理士)
大阪市中央区北浜の税理士。中小企業・個人事業主の財務顧問・節税コンサルを専門とする。小規模企業共済の前納活用、NISA・iDeCoを活用した経営者資産運用を自ら実践。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品への投資を勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任のもとで行ってください。社債の購入にあたっては必ず目論見書をご確認ください。

