中東情勢等を踏まえた中小企業・小規模事業者向け支援

原油価格の高騰や中東情勢の緊迫化により、仕入コストやエネルギーコストの上昇に頭を悩ませている経営者の方も多いのではないでしょうか。

中小企業庁は2026年3月以降、こうした状況に対応するための支援措置を相次いで打ち出しています。本記事では、大阪(北浜・平野町エリア)を拠点に中小企業の税務・財務をサポートする税理士法人W.Mが、その内容をわかりやすく整理してお伝えします。


目次

  1. 特別相談窓口の拡充
  2. 政府系金融機関によるセーフティネット貸付の要件緩和
  3. 価格転嫁・取引適正化への要請
  4. まとめ・当事務所へのご相談について

1. 「中東・ウクライナ情勢・原油価格上昇等に関する特別相談窓口」の拡充

2026年3月23日、従来の「ウクライナ情勢・原油価格上昇等に関する特別相談窓口」が「中東・ウクライナ情勢・原油価格上昇等に関する特別相談窓口」へと名称・対象が拡充されました。

相談を受け付けている主な機関

  • 日本政策金融公庫(国民生活事業・中小企業事業)
  • 沖縄振興開発金融公庫
  • 商工組合中央金庫(商工中金)
  • 信用保証協会
  • 商工会議所・商工会連合会
  • 中小企業団体中央会
  • よろず支援拠点
  • 中小企業基盤整備機構 各地域本部・各地方経済産業局

相談できる内容

  • 資金繰りに関する相談
  • 経営全般に関する相談

「売上が落ちて資金が回らない」「仕入れ先との取引が止まった」など、具体的な困りごとを抱えている方は、まず最寄りの窓口へ相談することをお勧めします。窓口一覧は中小企業庁のPDF資料で確認できます(窓口一覧PDF)。


2. 政府系金融機関によるセーフティネット貸付の要件緩和と金利引下げ

日本政策金融公庫等が実施するセーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)について、支援対象と金利引下げの適用範囲が拡大されました。

ポイント①:支援対象の拡大

従来は「現時点ですでに影響を受けている事業者」が対象でしたが、今回の改正により「中東情勢により今後の影響が懸念される事業者」も支援対象に含まれるようになりました。売上への影響がまだ軽微な段階でも、早めに相談・申し込みをすることが可能です。

ポイント②:金利引下げの対象要件の拡充(2026年4月1日~)

2026年4月1日からは、金利引下げの適用対象がさらに広がりました。

  • 原油価格高騰等の影響で原材料・エネルギーコストが増加しており、一定要件を満たす事業者 → 従来から対象
  • 中東情勢による取引・生産の減少や停止等の影響を受けており、一定要件を満たす事業者 → 新たに対象追加

「金利が下がるなら借入コストも抑えられる」という観点からも、資金調達を検討する際には要件確認をお勧めします。制度の詳細はセーフティネット貸付の概要(PDF)をご参照ください。

税理士からのひとこと
セーフティネット貸付の申請にあたっては、試算表や資金繰り表など足元の数字を整理した上で金融機関に臨むことが重要です。必要書類の準備や要件確認は当事務所でもサポートしております。


3. 価格転嫁・取引適正化への要請

原材料価格やエネルギーコストの上昇が続く中でも、賃上げを継続させるためには適切な価格転嫁が欠かせません。中小企業庁は2026年3月27日付で、業界団体・府省庁・地方公共団体に対して以下の要請を行いました。

業界団体への要請

  • 中小受託事業者に対して、原材料・エネルギーコストの上昇分を考慮した取引対価の決定など、特段の配慮を行うこと
  • トラック運送業・内航海運業に関しては、燃料価格高騰時の価格転嫁を徹底すること(内航海運業向けは2026年4月13日付で追加)

官公庁・地方公共団体への要請

  • 官公需契約においても、原材料・エネルギーコストの上昇を踏まえた適切な対応を行うこと

発注側の企業・事業者の方へ

サプライチェーン全体での価格転嫁・取引適正化の取り組みが後退しないよう、政府として強くメッセージを発信しています。発注者側の企業においても、コスト上昇を受けた取引先の状況を踏まえた価格交渉・契約見直しに前向きに取り組むことが求められています。


まとめ|支援措置の早期活用と専門家への相談を

今回の支援措置を整理すると、以下の3点が柱となっています。

支援内容対象問合せ先
特別相談窓口の利用資金繰り・経営に困難を抱える中小企業・小規模事業者日本公庫・信用保証協会・商工会議所等
セーフティネット貸付(金利引下げ含む)中東情勢・コスト増の影響を受けている(または懸念される)事業者日本政策金融公庫等
価格転嫁・取引適正化受発注双方の中小企業・小規模事業者取引先との交渉・業界団体への確認

支援措置は「使えるかどうかわからない」と様子を見ているうちに、気づけば資金が逼迫してしまうケースも少なくありません。少しでも気になることがあれば、早めに動くことが肝心です。

税理士法人W.Mでは、大阪・北浜エリアを中心に中小企業・小規模事業者の税務申告から資金繰り相談、金融機関対応まで幅広くサポートしています。中東情勢やコスト増に関連する補助金・融資制度の活用についてもお気軽にご相談ください。

▶ 無料相談のお申し込みはこちら


参考リンク


※本記事は2026年4月22日時点の情報をもとに作成しています。制度の詳細・最新情報は各機関の公式サイトでご確認ください。

関連記事

カテゴリー